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海外情報


諸外国での特別支援教育の取組みは様々であるが、特に先進地域であるイギリスアメリカでは早くからその取組みが行われている。

  

イギリスでは、障害の概念は、個別の教育ニーズがあると特徴づけSpecial Education Needs(以下、SEN)と呼ばれ、学校教育の現場でも様々な支援方法が模索されている。

1997年の総選挙において18年続いた保守党から労働党へ政権が交代したと同時に、新リーダーとしてトニー・ブレア首相が選出され、就任時の演説で「イギリスにおける重要な課題が3つあります。第一に教育、第二に教育、第三に教育だ。」と言ったように教育を中心にした政策が実施される様になった。ブレア政権が打ち出した最大の特色は、「学校の運営を学校理事会のみで行うのではなく、地方自治体や民間企業と共同で運営し実績を上げようとする点である。」と言われる様に、これまでの福祉的保護から訓練と教育に力を注ぎ、産官学の連携を図りながら、教育水準の向上と機会均等をインクルージョン教育として提起した。

そして、以後5年間で成し遂げる教育政策をWhite Paperとして議会に提出し、そこには教育の水準を向上させ、あらゆる子どもに安定した教育サービスを与えることを明記した。その具体的な方法として、保護者、教師、政府、企業、地方自治体、地域のボランティアが相互に協力することがあげられた。あらゆる子どもの中には、特別な教育的ニーズのある子どもも含まれており、その教育の在り方や方向性を提示する施策案として、 1997年10月にGreen Paper—Excellence for all children:meeting special educational needsを示した。

ここで8つの行動プログラムが作成された。

(1) 全ての子どもたちの教育水準の向上
(2) 特別な教育的ニーズのある子どもを持つ両親へのサポート
(3) 実際に行われるサポートの手続きの簡素化
(4) インクルージョンな教育による特殊学校と普通学校の協働
(5) SENのための専門施設や専門士など協力体制を強化する地域計画
(6) 専門的な技術や知識、理解を習得するためのトレーニングの実現
(7) 政府、企業、大学などの連携による援助
(8) 感情的で行動に関する困難を持つ子ども
  (Emotional and behavioural difficulties:EBD)の支援である。

最初の5年で、教師のサポートを行う情報とツールを提供するWebページ「TeacherNet」が構築され活用に至っている。


  

第二次世界大戦後、日本の障害児教育はアメリカの障害児教育をモデルにして展開してきたと言われ、その取組みには多くを学ぶことができる。特に、子ども一人ひとりが「無償の適切な教育」を受ける権利を実現するためのシステムは、未来の教育を政府が保証したとも言える。

また、2001年には、NCLB(No Child Left Behind)法が履行され、「置き去りにされる子どもを作らない」を理念に学力向上に伴う統一学力テストの実施及びその評価と公表など連邦全体でICTを活用した教育の情報化が加速している。保護者への説明責任も含め、学校と家庭が連携するための情報システムの構築には学ぶ点も多い。

アメリカでは、州と公的な機関が障害児の特殊教育とそれに関連したサービスの方法を定めるIndividuals with Disabilities Education Act(以下、IDEAとする)がある。IDEAでは、毎年、議会に対して実施状況を報告し、多様な教育の場での在籍率を出している。

特殊教育の基本的な考え方は、

(1)無償で適切な公教育の提供
(2)もっとも制約の少ない環境での教育の提供
(3)担当教師、複数の専門家、保護者によるチームで個別教育計画を作成し、実施、評価を行う
(4)様々な教育の場の連続体の保証となる。


個別の教育支援計画(多様なニーズに適切に対応する仕組み)については、
Individualized Education Programs(以下、IEPとする)作成チームの構成、IEPについての法的な記述に要約されている。
特別支援教育コーディネータは、教育的支援を行う指導者であり、関係する機関を連絡調整するキーパーソンの役割を果たしている。